人に思い込みをさせる方法

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高校時代に数学で学んだ命題の学習を思い出してください。

「何? 明大? 名大?」
明治大学でも名古屋大学でもありません、命題です。

「そんな勉強したっけなぁ?」

なんて方もご安心。
今ここで理解できてしまいますから。
もしかしたら、高校生のお子さんをお持ちの方は、ちょっといい格好ができるかもしれませんよ(笑)

まず、そもそも命題って何?
というところから参りましょうか。

命題とは、言葉で表されたもので、誰でもその判断がつくものとでも思っていてください。

ここで一つ注意しておきますが、それが命題であるかどうかというとき、その真偽は問いません。
あらあらいけませんね、数学っぽい表現をしてしまいました。

要するに、それが正しかろうがそうでなかろうが関係ありません。
判断がつけばいいのです。

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次の例をご覧ください。

  • 朝から雨が降っているので路面が濡れている…命題
  • 朝から雨が降っているので憂鬱だ…命題ではない

正しいかどうかではなく、判断がつくかどうかです。

その人が憂鬱かどうかの判断がつきますか?
見た感じで想像したりすることはできるでしょうが、確実に断定することはできませんよね。

これを踏まえて、次を考えていきましょう。

たくさん勉強すると、試験でよい点が取れる

これは命題でしょうか?

一見、そう思えますが、命題とはいえません
なぜなら、誰が見てもすぐに判断がつくわけではないからです。

このように、ハッキリしないし断言できないようなことを、一瞬で説得力のあるものに変えることができます。
ここで、高校時代の学習が活きてくるんですよ。

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というものを覚えていますか?

↓:ここからしばらくは、なんとなくわかればいいですよ。

AならBだに対して、

逆は、BならAだ
裏は、Aでないならば、Bでない

そして、この逆と裏の真偽は、元の命題と同じになるとは限りません
例を見てみましょう。

命題…雨が降ったから、路面が濡れている。…真

  • …路面が濡れているから、雨が降った。…偽
  • …雨が降らなかったから、路面が濡れていない。…偽

このように、逆と裏が偽の場合もあります。
雨以外の何かで路面が濡れることがなければ、真なのでしょうが。

↑:ここまで

ところが、

必ず命題と真偽が同じになるものがありましたね。

対偶といいますが、覚えていますか?

路面が濡れていなければ、雨は降らなかった。

Bでないならば、Aでないというものです。

ちょうど、裏の前後を入れ替えたものになっていますね。

…雨が降らなかったから、路面が濡れていない。
対偶…路面が濡れていなければ、雨は降らなかった。
この真偽は、必ず命題と同じものになります

だったら、この言い方を使ってみたらどうかなと思ったわけですよ。
ご覧ください。

A. たくさん勉強すると、試験でよい点が取れる。
B. 試験でよい点が取れないのは、たくさん勉強しないからだ。

同じことをいうのに、どちらが説得力がありますか?
不思議とBのほうが納得してしまいませんか?
その秘密を解説します。

こう聞かされた場合、たくさん勉強しないこと以外にも原因があるだろうと思うことはできます。
まさかそれ以外に原因がないと思いこんでしまう人はいないでしょう。

しかも、驚くべきことに、この言い方をされると、

言っていること全体が正しい

と思い込まされてしまうんですよ。

この場合でしたら、たくさん勉強しないことは、試験でよい点が取れないことの原因の一つに違いないという感じです。

「たくさん勉強しても試験でよい点が取れるかどうかわからない」という疑念が不思議と湧かないんですね。
寝不足、体調不良、試験範囲の勘違い、などなどいくらでも他の原因があるはずなのに。

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まさに、否定のマジックですよね。
トリックといってもいいかもしれません。

この対偶を使った表現は、両方とも否定することで説得力が増すのではないでしょうか。

  • 勉強しない
  • 点が取れない

すべて否定してあるから、

それ以上自分では否定する必要はない

と錯覚してしまうんですよ。

どうしても誰かを説得したい、納得させる必要があるなんていうときは、この方法がおすすめですよ。
もちろん、悪用は厳禁ですが。

というわけで、本当は真であることを知っている僕としては、

「本当かよ?」「信じられないな?」などと思われないように、この対偶を使った表現をすることにします。

あなたが幸せを感じて生きられないのは、思考の断捨離をしないからです。